割れた窓を放置しておくと犯罪が増える!?そこから学べるビジネス的見解は?
「割れ窓理論」というのを聞いたことがあるでしょうか?
割れた窓を放置しておくと、それは「誰もこの辺の地域に注意していない」というメッセージとなって犯罪が起こりやすくなるという考えです。
逆に言うと、小さな犯罪も徹底的に取り締まることで凶悪犯罪も抑止できる理論となります。
ニューヨーク市の事例が有名だそうで、当時の市長であるルドルフ・ジュリアーニ氏が、1994年に治安回復を目指してゼロトランス政策を実施しました。
ゼロトランス政策は、ゼロトランス(不寛容)的な取り締まりの意味で、小さな犯罪を厳しく取り締まる政策です。
落書きなどの軽犯罪を徹底的に取り締まった結果、5年間で、殺人が67.5%も減少しました。
また、強盗も54.2%、婦女暴行も27.4%減り、治安回復を実現されたとされています。
割れ窓理論から考えられるビジネスへの発想
ビジネス寓話50選では、ストーリーからビジネスへの学びを紹介されています。
日本の東京杉並区では、人通りの少ない路地裏に花を育てて街の美化に取り組みました。
その結果として空き数の件数が、当時のピークから4分の1まで減少したとされています。
割れ窓理論が、軽犯罪の取り締まりをすることで、大きな犯罪を抑制する働きがあることに対して、薄暗いところを華やかにしたことでも犯罪抑制の効果が見られると言うことです。
つまり、一見すると、表面的にはわからない影響部分に対して、どのような影響があるのかという想像力を持つと言うことです。
どのように関わりが出てくるのか、「空間的」、「時間的」な想像力をもつことが、大切とのことです。
あなたのお店の売り上げが伸び悩んでいる原因は、ひょっとすると、しばらく放置してしまっている柱のペンキ剥がれからはじまったものかもしれませんし、最近の同僚の調子がいいのは、デスクの上に何気なく置かれた観葉植物のおかげ。なんてこともあるかもしれません。
エピソードで学ぶ
ビジネス寓話50選では、さまざまな文献から引っ張ってきたエピソードが紹介されています。
割れ窓理論に関わる部分では、ヘンリー・ハズリット「世界一シンプルな経済学」からストーリーが抜粋されています。
それでは、考えられる限りで一番わかりやすい例からはじめることにしよう。
19世紀フランスの経済学者フレデリク・バスティアの「見えるものと見えないもの」に倣い、割れた窓ガラスを取り上げることにする。
悪童がレンガか何かを投げつけて、パン屋の窓ガラスを割ったとしよう。
(中略)
人々は、翌日か翌々日にもパン屋に真新しい窓ガラスが輝くのを見るだろう。だが注文されずに終わった礼服を見ることはない。
人は、直接目に映るものしか見ないのである。
エピソードとそこから得られるビジネス的見解が50紹介されています。
発想の転換、仕事の改善のアイデアにいかがでしょうか?
最後まで、ご覧いただき、ありがとうございました!
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