先が気になってとまらない!「そして、バトンは渡された」読みました!
瀬尾まいこさんの書かれた「そして、バトンは渡された」読みました。
瀬尾さんは、1974年、大阪府生れで、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年単行本『卵の緒』で作家デビューされた方です。
2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞を、2009年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞を受賞しています。
今回の「そして、バトンは渡された」では、複雑な家庭に育って苗字が何回も変わった優子の話です。
複雑な家庭に育った優子ですが、そんな複雑な感じは見えず、むしろ明るく良い子な感じです。
その複雑な過去を見返りながら、ストーリーが展開されていきます。
小さないざこざ、大きなイベントが常に目の前にあって、終わりまで先が気になって、楽しく読むことができました。
「そして、バトンは渡された」のタイトルのように、まず、最後はバトンが渡されて終わるのだろうと思って読み始めました。
そして、相手は、次の親かもしくは、結婚相手かどっちか?もしくは、他の?という最終的な終わり方が気になったというのが、大きな到達点としてもありました。
実は、背表紙に書いてあったようですが、Kindle で読んだので気づきませんでした。
ネタバレしない感想としては、全体的に清々しく爽やかな感じで学生時代の内容が多かったかなと思います。
そして、親子の絆ってなんだろうと改めて考えさせられました。
子供を持つということは、明日が2つになること、自分より可能性のある2倍の未来になることだそうです。
僕も親として、子供をもっと応援したくなりました。
そして、もっとケーキを買おうと思いました。
映画化も決定したようです!
まだ、読まれてない方は、こちら!
食(しょく)って大事(ネタバレ)
幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない“父”と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、
出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。
大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。
背表紙に書いてあった内容です。
小説の最後にバトンが渡されるのは、伴侶でした。
さて、物語は、誰か(森宮さん)が、オムレツを作るシーンから始まります。
これは、最後の方に出てくるあのオムレツサンドイッチですね!
そして、優子は高校生2年生です。
複雑な家庭に育ちながらも「困ったことがない」という、幸せな?状況です。
しかし、家族の形態が7回も変わっているのに、悩みがないような生活を送れてることに、逆にその7回がどのような変わり方だったのか気になりました。
逆に環境の変化に適応する能力がついて、強く悩みがないのかもしれません。と思いました。
森宮さんは、現在のお父さんで、最後の親(嫁ぐ前最後の親)です。
森宮さんは、優子と20歳はなれていますが、家庭内はいい感じで、自分でイメージしたよいお父さんを一生懸命まっとうしていました。
森宮さんで印象的だったのは、とにかく食です。
一生懸命、優子に食を提供し続けていました。
そして、自分自身もおいしそうに、たくさん食べていきます。
やはり、食は人生において重要なポジションなのですね。
食を楽しみましょう!
森宮さんの影響なのか、優子もフードスペシャリストを目指すべく短大を進路に決めました。
優子も食べるのが好きで、森宮さんのつくる料理を時には文句を言いながらも次々と平らげていきます。
優子が高校3年生になる始業式には、森宮さんは”今年は大事な勝負の年”だと、朝からカツ丼を用意します。
森宮さんは、カツ丼食べないで、メロンパン!
さらに、森宮さんは、優子の始業式を送り出すために会社を1時間休んだといいます。
そして、優子に、ただが始業式で休みなんて、と言われるのですが、親としての姿勢を学んだ気がします。
一つ一つ、一見どうでもよさそうなものでも、大事なイベントだし、決めるのも自分ですね。
そして、始業式の夜には、ホールケーキが用意されていましたw
塞いでるときも元気なときも、ご飯を作ってくれる人がいる。それは、どんな献立よりも力を与えてくれることかもしれない。
優子
梨花がお母さんに(ネタバレ)
優子は、3歳のときに母が交通事故で亡くなってしまい、お父さんに育てられます。
そして、お父さんが仕事の時は、おじいちゃん、おばあちゃんが面倒を見てくれていました。
おじいちゃん、おばあちゃんだと甘やかしてしまいそうですが、厳しく育てられたようです。
優子は、小学生に入ると、「お母さん」がいないことに疑問を持ち始めます。
小学校2年生になると母が亡くなってしまったことを告げられ、後日、次の母となる梨花を紹介されます。
梨花は、おじいちゃんやおばあちゃんに教えられたことと違い、自由奔放で、今まで聞いたことのないことをいろいろと教えてくれました。
お母さんのいなかった優子にとって、梨花は大切な存在となっていきます。
梨花が、母親のように優子を大事にしていたことは、すごいことだと思いました。
小学校5年生に上る前に、お父さんがブラジルに転勤になってしまうのですが、なんと離婚して優子をひきとるのです。
さらに、優子がピアノを弾けるように、お金持ちと結婚したり、ちゃんとした人生を送れるように、ちゃんとした別のお父さんを探して、また、結婚したりします。
結婚への姿勢が軽いのかもしれませんが、優子のために真剣だし、一生懸命だったのでしょう。
梨花は、優子のことが、好きすぎて、お父さんがブラジルから送ってた手紙を隠したりもしていました。。
Kindle だと皆がハイライトした部分がわかるのですが、たくさんの人がハイライトしている梨花のセリフには、人生を楽しんで、とにかく笑うことが大切なんだと思わされます。
女の子は笑ってれば三割増し可愛く見えるし、どんな相手にも微笑んでいれば好かれる。人に好かれるのは大事なことだよ。楽しい時は思いっきり、しんどいときもそれなりに笑っておかなきゃ
梨花
高校でのイザコザ(ネタバレ)
優子は、もてるようで、よく告白されていました。
球技大会では、優子のことを好きな男の子(浜坂くん)と実行委員をすることになりました。
優子とは結局、特に何もなかったのですが、浜坂くんは、好青年のようでした。
球技大会後に、優子の親友の萌絵が、浜坂くんを好きになってしまいます。
そして、優子に仲をとりもつようにお願いするのです。
優子は、浜坂くんが優子のことを好きなのを知っているので、失礼だと思い、うまく行動できませんでした。
結果として、萌絵に敵視され、友情よりも男をとるのだと、クラスでも隔離されてしまいます。
萌絵が自分で言えばいいのにと思いますし、クラスの大部分に広まるようなことでもないような気がしましたが、読み進めるしかありません。
とにかく大きなイジメのようにならないで欲しいと思って読んでいましたが、とうの優子はケロッとしています。
思いのほか長い間、クラス大部分から避けられてましたが、意外と平気そうで、改めてまた、優子の強さを尊敬しました。
そして、萌絵に他の彼氏ができたりして、時間によって仲は修復されていくのでした。
みんな結構、勝手だなぁ〜
合唱祭と家のイザコザ(ネタバレ)
優子は、ピアノを弾けるようで、合唱祭で伴奏者に選ばれます。
優子自身もピアノが好きで、練習するのが楽しそうです。
ピアノに興味を持ったのは、中学校になる前で、ピアノを弾きたいという優子のために、母親の梨花が、お金持ちの泉ヶ原さんと結婚してしまうのです。
おかげで、中学3年間、ピアノをみっちりと練習することができました。
梨花さんは、すぐ家を出てっちゃいましたねw
合唱祭では、高校生になってもピアノを習っている生徒たちが伴奏者として抜擢されてくる中、優子も負けてはいません。
むしろ、高校になって習っていないのに、習得するのが早いくらいです。
これは、才能がありますね!
なかでも、音大を目指している早瀬くんは、ピアノの達人で、優子も圧倒されます。
そして、早瀬くんを好きになりますが、早瀬くんには彼女がいるということでした。
合唱祭をきっかけに、ピアノの練習をするようになりますが、うまくなりたい優子は、夕食の際に「ピアノがほしい」とつぶやいてしまいます。
これが、きっかけで、森宮さんとの仲が、こじれてしまいます。
十分すぎるくらいやってもらって遠慮している優子と、そんな思いをさせてしまってたという森宮さんの気持ちが、露呈したかたちとなったのでしょうか。
この気まずい感じがしばらく続きます。
友達に敬遠されていても全く気にしなかった優子も今回はかなり気にしている様子です。
友達は、お父さんと話さないとか、お父さんが気持ち悪いとか、親と言い合いばかりだと言います。
優子の家庭が特殊で、他の子にはない苦労をしてきたということでしょう。
森宮さんが他人の子供を育ててることは、本当にすごいことです。
しかし、いつ辞めても誰も何も言えません。
子供ながらに、優子は、そのようなことを気にかけて生きてきたのでしょう。
森宮さんのことを気にしていることが、ピアノには、表れるようで、早瀬くんにあっさり見破られます。
早瀬くん天才!
担任の向井先生も気づいていました。
向井先生は、厳しくて堅そうですが、優子のことをよく理解しています。
最終的に、森宮さんが貯金をはたいてピアノを買うと言ったのをきっかけに、話すことで解消されました。
そして、合唱祭もいい感じで終わりました。
よかったです!
合唱祭の前日に森宮さんは、優子が伴奏する歌をこっそり練習していて、優子の伴奏で歌います。
優子は、森宮さんが、合唱祭で歌った歌の伴奏をこっそり練習していて、また、優子の伴奏で森宮さんが歌います。
二人のこんな気づかいは、いつもお互いのデザートを買い合うようなかたちで、滲み出てたんだなぁと、ほっこりしました。
いい家族ですね!
最後は!(ネタバレ)
優子は、志望校に合格し食の道へと進みます。
そして、縁あって早瀬くんとお付き合いし、結婚することとなりました。
優子が思いを寄せていた早瀬くんですが、何事もなく終わってしまったので、残念に思っていました。
再会することができ、しかも結婚ということで喜ばしいと思いましたが、なんと森宮さんは、反対でした。。。
森宮さんが言うには、早瀬くんは風来坊で、優子にふさわしくないということです。
確かに、風来坊といえば風来坊です。
優子と早瀬くん、二人の共通点は、ピアノと食です。
食という点では、森宮さんにも通じる部分があるなぁと思ってました。
そして、山本食堂の店長が、優子に「娘って父親に似た人を結婚相手に選ぶってよく聞くけど、本当なんだな」という言葉は、森宮さんを血のつながったお父さん以上の存在と認め、早瀬くんを理想の人と認める強さがありました。
優子の今までの親巡りをして、知らなかったことがまた明らかになっていって、最後まで飽きずに楽しく読むことができました。
皆が優子のことを思っていて、愛情にあふれた小説でした。
そして、やはり最後も食です。
冒頭に出てきたオムレツサンドイッチは、結婚式の当日の朝ごはんでした。
森宮さんは、最後まできっちり優子に食事を提供しました。
バトンタッチ!
僕の中のキャスト
映画やドラマ化された小説でも僕は、必ず小説を先に読むようにしています。
先に映画やドラマを見てしまうとキャストされてる俳優さんが、小説に出てきてしまいます。
そして、読みながら浮かんだキャストや読み終わった後に思ったキャストを実際のキャストと照らし合わせるのも楽しみの一つです。
さて、「そして、バトンは渡された」ですが、映画化が決まっているようです。
キャストを照らし合わせていきたいと思います。
キャラクター | 僕のキャスト | 実際のキャスト |
優子 | 土屋太鳳さん | 永野芽郁さん |
森宮さん | 大泉洋さん | 田中圭さん |
梨花さん | 梨花さん(名前で一致) もしくは、木村文乃さん | 石原さとみさん |
泉ヶ原さん | 國村隼 | 市村正親さん |
早瀬くん | 若めの伊勢谷友介 | 岡田健史さん |
向井先生 | 江口のりこ(ドラゴン桜の理事長) | 7/4時点不明 |
まったく、違いますが、なるほどという感じでした。
田中圭さんは、かっこよすぎるかなぁというのと、石原さとみさんは、梨花よりは、もう少し真面目な印象でした。
早瀬くんは、ホリが深いと何回も出てきてたのと、ちょっとふざけた感じで、伊勢谷友介さんが思い浮かびました。
皆さんは、いかがだったでしょうか?
映画がどう仕上がってくるのか楽しみです^^
ありがとうございました!
瀬尾さんの新しい感動長編は、こちら!
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